致死量カカオ



「もうムリいいいぃぃぃぃぃ!やだあああぁぁぁぁぁ!」




――はい?



え?と思うと同時に後ろに居たはずの豊海が急に俺を通り越して入口を飛び出して行った。

それはもう風のごとく猛ダッシュで……。

しかも未だに叫びながら。



――はい?



っていうか。

なんだ一体!?ちょっと待て!


イマイチ現状把握はできないものの、そのままぽっかーんとその場に立ち尽くしているわけにも行かず校門付近まで走り去っていった豊海を慌てて追いかけた。


逃げれると思うなよ!

足には自信はあるんだからな!


中学時代サッカー部で高校でもサッカー部だった俺をなめんなよ!一年でしんどくてやめたけど!


多少体力は落ちていたけど、豊海の姿は直ぐに近くになった。あいつは見るからに運動が得意そうでもないし。


あいつ得意なこと本当になさそうだな……。敢えて言うなら相手に理解不能な行動を起こすところくらいじゃないだろうか。


俺ら二人が全力疾走で駆け抜けていく様はおそらくものすごい滑稽なんじゃないだろうか。


通りすがりの生徒も見知らぬおばさんも、何事かと言いたげな視線を向けて俺らを見つめた。