致死量カカオ


言っている意味は分かるし気持ちも分かるんだけど。

それだけの感想しか出てこない。


「何?どうでもいい様な口ぶり。結局好きじゃねえとかそういうこと?

まあ、それも仕方ないか。今までの彼女に比べたら」

「んなことまで言ってねえだろ。そりゃ俺だってやりてえし触れてえよ。当たり前だろ」

「だよなー」


そりゃそうだろ。じゃなきゃ手とか繋がないし。

だけど、豊海に関してはそれでも良いような気がする。

多分、好きだと想う。

今までと違うからそうなのかも知れないと思うだけだからわからないけど……。


色んな面倒も苦痛にはならないし逆に真っ赤になって死にそうになっているのは面白いし、かわいいな、とも思う。


豊海のあの強烈な告白の台詞があるからだと思うけど。


もしも触れたら。
さっきみたいに手だけじゃなくて。

そしたら豊海は……きっとぶっ倒れるだろうな。

目を回すようにして。


「何笑ってんだよ」

「なんでもねえよ」


いつの間にかにやけたのか、沢田がちょっと気持ち悪いものを見るような素振りで言ってきた。


「とりあえず帰るわ。お前らついてくるなよ。特に宮木はバス停と逆方向に帰れ」

「無茶苦茶言うなよ」

「じゃーな」

靴の踵は踏んづけたままで二人に背を向けて手だけで挨拶を伝えると、二人も声を合わせて「またなー」とおそらく手を振ることなく言った。