致死量カカオ

……のに。


「……お前、何でそんなにバカなの……」

「え!?」


俺の差し出した手には、豊海の手。
おずおずと何も持たずに同じように手を出すから何かと思えば……何で「携帯」って言ってるのに手を出すんだお前は……。


さっきまでの苛立ちもスーッと音を出して去っていって、気が抜ける……。


「――わ、あ、う!」

「はいはい」


気が抜けてそのまま俺の手に乗っかった手をぎゅっと握りしめた。

予想通りに、俺に捕まれた手を見つめながら口をぱかーっと開けたアホみたいな顔をした豊海の顔はみるみる赤くなっていく。


……なんかこういうおもちゃみたいだ。
一気に顔色が変わる人形とか。
鼻血吹き出しますとか。


「倒れんなよ」

「無理です!」

間髪入れずにそう返事をする豊海に思わず笑みがこぼれると、豊海が一瞬固まってから目をぐるぐると回し始める。


「本当に、死ぬから、あの」

「頑張れば?」


手を離してくださいとかそういうことだろうけど、それは却下だ。