……宮木には触らせて、微笑んでいたのにな。
こんなこと思うなんてそれこそこの前の豊海の発言を思い出すんだけど、だけど思うのは仕方ないじゃねえか。
だって俺は触れないのに。
触れないのに宮木は触って。
俺には笑いかけないのに宮木には笑いかけるどころか頬まで染めて。
彼氏だったらそんなのむかついて当たり前だと思うんだけど。
「あの、じゃ……」
そしてすぐどっかに行くって?
宮木とずっと話をしていた癖に俺が来ると逃げるように去っていくとかなんなんだよ……。
俯いたまま俺を見ることなく言葉だけで別れを告げてくる豊海に何かがプチンと音を出して切れたような気がした。
「――豊海?」
思ったよりも低い声が出たことに、驚いたのは俺本人だけじゃないだろう。
目の前で背を向ける豊海の肩がびくりと跳ねてから、ゆっくりと俺の方に顔を向けた。
「……今日は放課後ちゃんと教室にいろよ」
「……え?」
え?じゃねえよ。
振り返った豊海の顔が、赤いというよりも青く見えて、舌打ちしたい気分になる。



