致死量カカオ




どうしたらいいのかさっぱりわからん。


「高城顔が険しいぞ?」

「……別にそんなことねえよ」


俺の顔をおそるおそる覗き込んでくる宮木に返事をしたけれど、険しい顔をしているだろうことは自分でも分かっていた。


……分かっていたけどなおらねえんだよ。


あの日から二日。
あの日から豊海の様子がおかしすぎる。


分かっているのに何も出来ない自分の立場に苛立つし、豊海の態度にどうしようもなく苛立つ。


っていうか、この二日間ろくに顔を見てないっていう。

今更あいつの連絡先を聞いていなかった自分にも腹が立つ。


今まで余りにも普通に自然に交換をしていたから豊海の連絡先を聞いてないことに気付かなかっただけなんだけど。


携帯を見てそう言えばしらねえなと気付く自分のおそさ。


っていうか何でいねえんだと時間が立つ度に自分への苛立ちよりも豊海への苛立ちの方が大きくなってるのが分かる。


「豊海ちゃんに避けられてるらしいよ?」

「それでこんなにイライラしてんの?っていうかどう考えてもまだ一日とか二日だろ?」


傍で沢田と宮木の会話は聞こえるものの反応する余裕がない。