……昨日私が抱きしめた痕跡ですね!
今日の朝慌ててたのでそのままだったんですよねー。私忘れてましたよねー。
「いや!これは!その!本当はアイロンまで当ててびしーっとキレイだったんです!」
「それが何でここまでしわくちゃになってんだよ。昨日よりひでえじゃねえか」
「えーっとそれはですね!あの、昨日抱きしめて寝てしまいまして」
……そう口にした瞬間高城が私を凝視する。
その視線で自分の口走ったことに思わずあわあわと口だけが餌を求める金魚のように動いた。
なにいってんのわたしいいいい!
何正直に自分の変態ぶりを晒してるんだ私は!
「い、いや、そのちょっと人恋しくて。あ、いやそうじゃなくて高城の匂いを?じゃなくて……思い出?いや、えーっと……洗剤で」
はいもう日本語わかんない!
どれも墓穴だよ!
目の前の高城を見ることすらできなくなってきて目を必死で泳がしながら今更のような気がするけれど言い訳を探し出した。
高城を見たら多分すげえ引いてると思うんだものー。
そんな視線で見られたらさすがに私の心も粉々だと思うんだものー。
そんな冷たい視線もきっとかっこいいんですけど!
そんな視線で見つめられるとかもう、それこそ鼻が破裂するくらいに鼻血が吹き出るよね。
いや、そうじゃなくて!



