致死量カカオ


よくもまあ進級できたな。三年に進級もできるのか卒業出来るのか……。


留年なんて、やめてくれよ。一緒に卒業できねえじゃん。


――なんて考えが頭をよぎって……、ふと脚を止めた。


……な、にを、考えているんだ。あいつが留年したところで俺には特に関係ないし……留年して学年が離れたところで今だって学校で顔も合わさない。

卒業が一緒じゃなくったって……それまで付き合っているかも分からないし、そもそも違ったからってなんなんだ。大したことでもないだろ?


「……高城?どーした?気分悪いのか?」

「あ、いやなんでもないっす」


急に脚を止めたからか、傍にいた先生が声を掛けてきて慌てて振り返りそのまま職員室を後にした。

――なにを、バカなこと考えているんだか。

自分の考えに自分で信じられない気分になって自分の顔を手で軽く覆った。


……自分の顔が、熱いような気さえする。
頭おかしいんじゃねえか、俺。


なんで、そんな先のことを考えるのか、そんなつまらないことを気にするのか自分で分からない。


相手は意味の分からない女だって言うのに。会話だってろくにまともに出来ないし、すぐにぶっ倒れるし、汚いのに。


なんでこんなにあいつのことを気にしてしまうのか。

わからないから――それだけの理由で、こんなにも気にするなんてあり得ない。

今までこんなこと一度だってない。