「ちなみに北島もさっきの小テストしたけど、結果2点だったからなー。
北島、選択問題だけは100発100中だから」
「……あるいみすげーっすね」
「だろ?」
不思議な女だな……、本当に。
話しなけりゃ記憶にも残らないほどの普通の女だって言うのに。
なのに一回知ってしまうと、意味がわからなささすぎていやに気にしてしまう。
気になってしまう。
不思議な女だなと思うと同時に、そう思うのは俺だけじゃないんだなと思い知らされる。
別に、いいんだけど。
気持ちだってわかるし。
「そこ、置いといてくれー」
「へいへい」
職員室に足を踏み入れて、先生の席の後ろの棚に持っていた資料を置くと、隣にいた数学の先生にまで「お前、北島に算数教えてやってくれよ。俺お手上げだ」と愚痴られた。
……算数ってなんだ。
「俺そこまで頭よくねーっすよ」
理系だから普通コースよりも入試の際の偏差値は少し高いくらい。
俺の成績だって別に飛び抜けていいわけじゃないことくらい自分が一番よく知ってる。
「人並みになってくれたらいいから、お前でも充分だよ」
「……そうっすか……」
今は何並なんだろうな。金魚並?



