「倒れたから仕方なく、だよ」
「まぁそうだろーけど、そんなん豊海ちゃんのことしらないやつからしたらわかんねーじゃん。
株あがってんじゃね?これ以上校内の女の子取るのやめてくんねーと困るんだけどー」
「校内の女の子にも選ぶ権利はあるから心配すんな。俺のせいじゃねぇ」
がんばれよ、と言葉をつけたして沢田の隣を通り過ぎると背後で沢田と宮木の愚痴が聞こえた。
まぁ、聞こえないふりしますけど。
「でもお前、あんまり無理させんなよー」
「なんだよ無理って」
席につくと、目の前の席に腰をおろした沢田がちょっとだけ真面目な顔をした。
なにが言いたいのかさっぱりだ。
宮木たちよりまだまともなことを口にする沢田のことだからちゃんと意味はあるんだろうけど。
「豊海ちゃん、あの話が本当なら、下手したら本当に……ってことも考えてやれよ?
お前が本気になるのは勝手だけど」
あの話が本当なら、本当に……死ぬかもしれないって、ことか。
わかってたけど、そんなこと。
だけど改めて口にされると体が強張った。
でも、やっぱり、まさか、そんなことが。
そう思う気持ちもある。
いや、俺がそばにいることで体調悪くなるってことは理解できてるんだけど。



