致死量カカオ



「女だって同じじゃねえか」


不意にでた言葉に、裕子と宮木が「ん?」と首を傾げながら俺に視線を移した。


「俺のこと好きだって言いながら、そんなに好きじゃねえじゃん。

すぐイメージと違うとか、もっとクールだと思ってたとか好き勝手ばっかり。

本当に好きか分からないのは俺じゃなくて自分の気持ちだろ」

「まあ、それは否定できないよね」

いや、しろよ。口先だけでも。
速攻で同意するなよ。


「じゃあその中で、あの子に対してだけ違うと思う理由は?」


にやりと笑いながら祐子は俺をのぞき込んだ。

……違うつもりはないんだけど?
だけど。

俺は違わないつもりだけど。

それでも違うと言うのならその理由はきっと豊海にあるんじゃないかと思う。

それくらい豊海は普通じゃない。あの体質もあの理解不能な思考回路も。


――好きじゃなかったらこんなに死にかけてないわよ!


まさか、あんな風に言われるとは思わなかった。