致死量カカオ


振られるのは悲しい。
そりゃもちろん。


だけど上手くいく努力は一切しなかった。

いや、それは嘘ですけど。そりゃ仲良くなりたいし。

だけどそれをすればするほど死期が近くなるんだ。


どくどくと脈打つ体が憎らしい。


好きでいることすらも許されない。

嫌いになれた方がマシなのに。

誰のことも好きにならないでいようと決心してもそんなの努力で何ともなるはずがなかった。

生憎私はほれっぽいらしい。


ちょっと優しくされたらすぐときめくし、かっこよくてもときめくし、手が触れちゃったら恥ずかしいし告白されたらそこそこの顔の男の子でも好きになれる自信がある。


何なんだよ私。バカじゃないの。


好きにならなければどんなに男前に迫られたってこんなことにはならないのに。男前に迫らせたらその時点で惚れるかもしんないけど!


好きにならなきゃいいんだって思ってもバカな私は恋をして、振られに行って、恋を終わらせるしか方法がない。


死にたくない。
恋がしたい。
かっこいい彼氏が欲しい。
そして大切に愛されたい。

お金持ちになりたい。
寝て暮らしたい。


私の望みはそれだけなのに。