「お前マジで意味わかんねえよな」
冷たい声が届く。声だけで感情が読み取れるほどに冷たくて低い高城の声。
「……え?」
おそるおそる目だけを鞄から離して隣にいたはずの高城を見るけれど、既に高城は私よりも数歩先を歩いていた。
「今まで付き合った女もよくわかんなかったけど、お前が一番わかんねえ。
無理ならもーいいよ。俺のこと好きでもない女と付き合う意味もないし」
……なん、だそれ。
いやいやおかしいでしょ。好きに決まってるし。
すたすたと歩き始める高城の背中を見つめたまま、動けなくなった体で口だけが小刻みに震えた。
嫌になってしまう気持ちは分かる。
そんなの今まで何度だって味わっているんだから。
そのたびに苦しいけどそれも仕方ないと思えるほどには経験済みだ。
だけど。だけど自分の気持ちまで否定される覚えはないんですけど!
「好きに、決まってるでしょー!!!」
気がついたときには、体中の筋肉を動かして全力で叫んでいた。今いるここが道のど真ん中とかもうそんなこともどうだっていい。



