だけど虎太は嘘はついていなかった。真奈美の口からきちんと『友達』って聞けたし……



それに虎太は真奈美の本性を知らずに騙されている立場なわけで……




「……なんか分からなくなってきた」




真奈美の前であたしの腕を掴んでひき止めてくれたことが虎太なりの答え。


虎太はあんなにかわいい真奈美より、あたしのことを本気で必要としてくれてる。長いこと付き合ってきたから決心が揺らぐ。



一回の浮気を許せないあたしが悪いのかな。



「分かった。この話はやめようか。せっかくだから食事を楽しもう」


「うん……」




大和くんに言われて、あたしは考えることをやめた。



あたし、一体どうしたいんだろう――……




第4話:終わり