「虎太……」


「俺、まだお前の彼氏だろ? 車持ちの男にゆれたか?」



は?車だけで、なびかねーし!あたしが言い返そうとしたら大和くんがクスリと笑って、虎太を見た。



「今日はひくよ。“今”はまだ君が綾香ちゃんの彼氏だからね」



ひくって……大和くん、やっぱりあたしのこと、気にかけてくれてる?



「またね、綾香ちゃん」



手をあげて、笑顔で去っていく大和くんの後ろ姿を虎太は睨み付けた。



「んだよ、腹立つ」


「……バイトは?」


「真麻ちゃんが受付表に3時間って記入してたから、それに合わせてあがらせてもらったんだよ」