「信用を取り戻すって並大抵のことじゃないよ。虎太は裏切りだけじゃなくて……たくさんの嘘をあたしについたんだから」 「……だよな。うん、分かってる」 あたしは作文を折りたたんで、ポケットに入れた。教室に戻ろうとしても虎太は動こうとしない。 「授業は?」 「次はさぼる」 「そう……」 そのさぼる時間に……放課後のことを考えるの?真奈美とあたしを会わせないように裏回しするの? もう……こんなことしか考えられなくなってしまってるよ…… あたし達、寂しい関係だね。