「ありがとう。裏切った俺のこと、また信じてより戻すって決めたの……勇気が必要だったろ?」




そう言って涙ぐむ虎太の瞼を苦笑いしながら手で無造作に拭った。



「まーね。でももう決めたから。だから泣かないで笑って。これ命令」


「ぷっ……早速命令?」


「うん、でも命令は一回しかしない」


「何?」



浮気を二度としないでなんて言わない。虎太を信じると決めたから。




「会ったら必ずキスして」




予想外の命令だったのか、虎太は唖然としている。そして、緊張した表情でゆっくりと顔を近づけてきて唇にキスをくれた。



久しぶりのキス


ただのキスじゃない



きちんと愛のあるキス



胸がドキドキして、くすぐったい。その後も何度も何度も優しいキスをしてくれた。