「いいよ。あたし、虎太のこと、もう一度だけ信じてみようと思う」




好きだけど、そんな感情だけじゃ浮気という裏切りは許せなかった。


自分の感情を打ち消してしまうほどの行為に、どうしていいか分からず揺れに揺れて最終的には別れを選択してしまったけれど




強くなろうと思ったんだ。




死ぬかもしれない恐怖より、あたしを想う気持ちのほうが強かった虎太の姿をこの目で見てしまったから。一途で、だけど束縛はしない。だから……




浮気は消せない辛い過去だけど、今のあたしなら許そうと思える。乗り越えられると思える。また虎太を信じようと思える。