吹き荒れる嵐の中、虎太の手もどんどん冷たくなっていく。もう、ダメなのかな……意識がまた遠退きそうになった時
遠くから救急車のサイレンの音が聞こえてきた。虎太もその音に反応して顔をあげる。目と目を合わせて笑い合った。
よかった……助かった……
安堵した瞬間、辺りが一瞬明るくなる。
――っ!!
恐れていた雷の轟音が鳴り響いて心臓に激痛が走る。あたしは目を強くつぶった。虎太の手があたしから離れることはなく
再度、意識を手放したのだった――……
第16話:終わり
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