「やめて!!」 あたしはハンドルを無我夢中で左に切った。 「くっ……!」 「きゃあ!!」 車が一回転したのか、自分の体が一瞬宙を舞った気がした。 そしてあたしを庇うように大和くんがあたしの体を包み込んで、強い衝撃音が響く。 痛い……全身に痛覚が走り、目の前がチカチカと光る。 「綾香! 無事か!?」 放心状態のあたし。虎太が割れた窓の外から呼び掛けてきてもすぐに反応ができなかった。