包丁を人に向ける日があたしの人生で訪れるなんて思ってもみなかった。 こんなことしたくない。人を刺すなんて恐ろしいことあたしにはできない! だけど少しでも引いたら大和くんが何をしてくるか分からない。 そんなことを考えているうちに大和くんとあたしの距離は縮まっていく。 「下がれ! 綾香に近づくなって言ってるだろ!」 あたしの目の前に出てきた虎太。虎太はナイフを大和くんに向けてあたしを庇うように後ろへと下がらせた。