こんなにすがるくらいあたしのこと好きなら裏切らなきゃいいのに……
あたしは
浮気するような彼氏なんかにやきもちは妬かない。虎太が下僕という形でどうにか繋ぎ止めている関係。
「明日からはきちんとバイト行きなさいよ。じゃーね」
「家まで送る」
「いい。車とか持ってる彼氏になら送ってもらうけど」
「春休みには免許とるし。そしたら車で綾香のこと送り迎えできるから」
「来年までこの関係が続いてたらの話でしょ。強制はしないから。虎太が別れたいと思ったらいつでも」
「別れねーよ」
間髪入れずに別れを拒否した虎太は、あたしの手を強引に繋ぐと無言で歩き出した。


