「親から電話がこないように電源落として」 ソファーの上であたしの髪を何往復も撫でる指先。あたしは言われた通りに電源を落とすと、携帯をパチンと閉じられてテーブルに置かれた。そして後ろからぎゅっと抱き締められた。 「柔らかくて温かい……。なのに震えてる。かわいそうに。まるで猫みたいだ」 圧迫感さえ感じる熱い抱擁。今夜はこの人と一緒に過ごさないといけないなんて…… 地下で拘束されている虎太達も地獄だけど、あたしも生き地獄だ。