「な、なんで!?」
「帰りたいの? 俺は1日でも長く綾香ちゃんと一緒にいたいのに」
帰りたいに決まってる。1秒でも早くここから去りたい。大和くんから離れたい!
あたしが返事をせずに黙っていると、大和くんはため息をついてソファーに腰かけた。
「いきなり泊まりは軽い男だって思った?」
「そんなんじゃなくて……親も心配するし」
「分かった。今日は帰ろう」
あれ、結構あっさり……だけどこれで携帯で虎太達を助けることができる。
ピカリと稲光が光り、大和くんの顔を照らす。その顔は妖艶な笑顔。綺麗だけど怖い。ゾクリと鳥肌が立った。