部屋を出ると、雨が叩き付ける音。遠くで雷も鳴っている。
「残念。もう雨が降りだしてるみたい」
何もなかったように笑う彼。あたしは安堵した。散歩どころじゃないし……
「部屋を案内するよ。綾香ちゃんのバックも運んであるから」
バック……!携帯さえあればトイレに行くフリをして助けを求められる。大和くんは何故かあたしのことを信用しきっているし。
二階の南側の部屋の扉を開けると、ベッドとソファー、テレビが備え付けられていて広くて大きな窓からは不気味なくらい真っ暗な空がのぞいていた。
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