「勘違いも甚だしいな」
「ぐっ……!」
逃げようとしたあたしの足は虎太のうめき声で止まった。
大和くんが膝を折り曲げて虎太の腹部に蹴りを入れた。そのままズルズルと床に虎太は崩れ落ちたけど、繋がれた手錠がそれを許さなかった。
形勢逆転というのはこういうことを言うのか。大和くんは無表情で虎太の首を手錠の鎖で締め上げた。
「やめて!」
「どうして? 歯向かう駄犬には躾をしなくちゃ。ああ、簡単に殺るのは綾香ちゃんの意思にそぐわない?」
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