お弁当を食べ終えて、ハンカチでお弁当箱を包んでいるとコンビニ袋を持った虎太が汗だくになって帰ってきた。



「早かったね」


「置きチャリで近道してきたから」


「走って行けよ。誰がチャリ使っていいって言った?」


「わり。次からチャリは使わねーから」



学校から近くのコンビニまでは虎太の足でも、往復30分はかかる。半分の15分で帰って来られたら嫌がらせにもならない。



虎太は袋からドロリッチを取り出すと、一緒にシュークリームも出てきた。



「綾香、これ好きだよな? よく買ってたの思い出して買ってきた」



あたしの冷たい言葉にキレることなく、笑顔であたしにシュークリームを渡してきた。