「そろそろ目が覚めたころかな? どうする? 簡単にやっちゃうより苦しめて逝ってもらおうか?」



本気で言ってる。あたしの体はカタカタと震えだして、寒さのせいだと思い込んでいる大和くんはさらにあたしを強く抱き締めた。



「綾香ちゃんを傷つけた二人だよ。それだけで大罪だ。そして、俺達の幸せな未来には不必要で邪魔な二人。本当の復讐はこれからだよ」



ニヤリと妖艶に笑う彼。


真奈美のお兄ちゃんは、真奈美よりも危ない人間だった。



そんな人に“好き”だと言ってしまったあたしは



撤回できないほどの恐怖に怯えて、何も言えなかった。好きじゃないと言ったらあたしも何かされるに違いない――……




第11話:終わり