「虎太、ドロリッチ飲みたい」 「は? そんなもん購買売ってねーし」 「知ってる。だから飲みたいの。コンビニ行ってきてよ」 「分かった」 昼休みの教室。あたしは虎太にコンビニ行きを命じた。虎太はズボンのポケットに手を入れて立ち上がると教室から出ていった。 「ちょっと綾香、どうしたの? いつもと逆じゃん」 親友の真麻(まあさ)は、前のめりになって興味津々な表情であたしに話しかけてきた。