「朝ごはん食べた?」 「少し。パンを二口くらい」 色々と不安要素があって、朝ごはんなんて食べる気にもならなかった。そして、今現在はもっと不安が増している。 ――虎太…… 来なければ一番いいとは思っていたけど、あんなメールを送っておいて姿を見せないなんて何かあったとしか思えない。 虎太に電話をしたい。だけど…… 「綾香ちゃんは優しいからさ、そこを狙って虎太くんはわざと来なかったんじゃないかな」 「え?」