「……虎太くんのこと考えてる?」 「えっ……違うっ! ほら、真奈美の本性にかなり驚いちゃって」 「凄かったでしょ。だから嫌いなんだよ、あいつ」 爽やかな笑顔でサラリと毒を吐く大和くんを見て、苦笑いした。本当にこの二人は血が繋がった兄妹なのか。 「アイス好き?」 「大好き!」 「じゃ、食べに行こう。そこでゆっくり話そう」 ……日曜日のデートでそういうことすればいいのに。だけど車はもう大和くんの頭の中にある目的地へと発車してしまった。 いいか。このまま帰っても胸がモヤモヤしてるだけだし。