「いや、いい。もう大丈夫だろ。大和も綾香も……ありがとう」 虎太はお礼を言うと、頭を抱えていた。驚きとショックで頭の中が整理できていないのか、顔色が悪かった。 「大丈夫?」 「ああ、平気。最後まで嫌な思いさせてごめんな」 そんなこと……ない。真奈美より何百倍もかわいいって言ってくれたの……嬉しかったよ。 「話し中、悪いけど。綾香ちゃん送るから帰ろう。日曜日のデートの計画もたてたいし」 「デート?」 ……何も虎太の前で言わなくてもいいのに。