「きちんと言えた?」 「うん。あとは虎太がうまくやれば……」 「近くまで見に行こう。真奈美は虎太くんが学校から出てくるのに気をとられてるし、気づかないよ」 「え、でも」 ぐいぐい大和くんに手をひかれて、あたし達は真奈美の立っている位置から一番近い電信柱の陰に隠れて息をひそめた。 「あ、来た」 小声であたしが言うと、虎太が真奈美の前に現れた。真奈美はさっきの表情とは真逆。目をうるうるさせて今にも泣き出しそうだ。