『……お、女ってこえー』 「自分がそんな女に手を出すからでしょ。バーカ」 『そうだな。自業自得だ。綾香、優しいな。俺なんかのためにありがとな』 “なんか”だなんて虎太らしくない。別れてもまだ虎太はあたしに気を使っていて、下僕みたいだ。 「今回までだよ。あたしが虎太に何かをしてあげられるのは」 『え?』 「電話もメールも今後は一切しない。やっぱり別れても連絡取り合うのっておかしいと思うし……」