「綾香はお人好しだね。元カレのために浮気相手に関わるなんて、あたしなら無理」 「……そうだよね。虎太がまいた種なんだから、自分で刈らなくちゃね。今度から関わらないようにする」 真麻の言う通りだ。虎太もいつまでも真奈美から逃げていないで、もう一度キッパリ突き放さなきゃ。携帯を変えただけで、真奈美がひくとは思えない。 「綾香。虎太くんは?」 ――やっぱりいた。 校門を出ると、仁王立ちの真奈美の姿。相変わらず注目の的。だけど、本人は見られることに慣れているのか、全く気にしていないようだ。