結局、虎太とは一言も会話を交わさずに放課後になった。真麻と下駄箱に向かうと、虎太がスニーカーを持ってため息をついていた。 うわ、気まずい。露骨にシカトもできないし……。話すくらいは……いいかな。 「ため息なんかついてどうしたの?」 「あ、綾香……」 虎太はあたしから声をかけられて、一瞬驚いた表情になったけどすぐに苦笑いに変わった。