あたし達はただベッドの上で抱き合ったまま、時間だけが過ぎて、そのままラブホから出た。 もう、手は繋いでいなかった。 「送る」 「いい。駅まですぐだし」 「それ命令?」 「うん」 そっか。虎太と別れたら、下僕でもなくなるんだ。あたしは最後の命令を虎太に告げた。