「今日は俺、綾香の彼氏最後の日だから。甘えろよ。何してほしい?」 無理して笑って、真っ赤な目でそんなこと言わないでよ。余計、苦しくて切なくなる。 でも本当に最後。最後ならせめて、あたしも自分に素直になろう…… 「ギュッて……抱き締めて……」 あたしのお願いに虎太は優しくあたしの体を包み込んで抱き締めてくれた。 「なんか信じられねーな。綾香と別れるって実感わかねー」 「……うん」 この感覚を覚えていよう。ずっとずっと何百回もされてきたハグ。虎太の体温、鼓動、香り、忘れない。