風が吹いて、木々が揺れる。あたしの目の前の景色も揺れているみたい…… 何、このみじめな感じ……。うまく言い返せなかったのは、真奈美の言葉が全て真実だったから? あたしは虎太から女としてみられてなかった。だからレスになっていった。 「綾香!」 後ろから虎太が汗だくになって駆け寄ってきた。 「虎太……どうして」 「心配だから後つけて、遠くから見てた。大丈夫か?」