「とりあえず、今日は帰るよ」



そう言って、大和くんは泣いている真奈美を車に乗せて帰って行った。



残された二人。沈黙が続いて、あたしは仕方なく虎太に声をかけた。



「あがってく?」


「……うん」



虎太を下僕にしてから、初めて自分の部屋に招き入れた。



もう二度と入れることはないと思っていたのに……



「お茶なんか入れないからね」


「いいよ。顔、大丈夫か? 俺のせいなのにごめんな」


「本当だよ! なんであたしが殴られなくちゃいけないわけ?」