「では、よろしくお願いしますっ!」 「はーい」 俺がそう深く礼をすると、杏子さんは楽しそうに笑い俺の家に入っていった。 …さあ、クソ兄貴。俺の恨みを思い知るがいい。いつまでもラブラブでいられると思うなよ!ふははははは! 「――お、来た」 杏子さんが家に入ってから三分が経過した頃、バタバタと階段を降りてくる音が聞こえてきた。 多分、兄貴が杏子さんを追いかけてるんだと思う。 「杏子待てって!俺はまだ話が…」 「あたしは話すことなんかない。 じゃ、彰くんまたねー」 「あ、はい!」