桜が散り始めた頃、私は夜、コンビニに行っていた。 その帰り道、ふとあの公園が目につき、吸い寄せられるようにベンチに近づいていた。 そして、ベンチに座り、膝を抱えた。 何してるんだろ、私・・・。 こんなことしても、あの人は現れないのに・・・。 でも・・・ 『泣いてばっかじゃ、何も変わんねぇぞ?』 あの人の真っ直ぐな瞳が忘れられない。 ポケットからストラップを出し、ギュッと握って、顔を膝に埋めた。 「会いたいよ・・・」 もう一度、あの厳しそうで、でも、優しさに溢れた声が聞きたい・・・。