一人暮らしを始めてからアパートに歩はおろか、男性を上げることも初めてだった。 でも、高熱のせいで思考がぼんやりとして、そんなことは今、最重要課題ではなかった。 初めてわたしの部屋にやって来た歩は、少し遠慮がちにしていたが、わたしがふらふらとよろけると、 「いいから、寝てて」 と言って、わたしを優しくベッドに寝かせてくれた。