絶対に何か聞かれる。
どうしよう……
「ケイ……」
シュウさんが何かを言おうとしたその時、携帯が再び着信する。
勢いよく立ちあがった私がとった行動。
そのまま着信を告げる携帯を手を伸ばす。
同時にシュウさんの手が伸びてきて。
"タエ"
そこには想像通りの名前があって。
一瞬早く携帯を掴んだのは……
シュウさん。
掴み損ねた私の手は空を切って。
携帯を持ったままシュウさんは私を見ている。
「と、トイレ」
「え?」
「トイレ借りるね」
返事を待たずに部屋を出てドアを閉めた。
足の力が抜けて、ドアを背にしたままズルズルと床へへたりこんでしまう。

