お茶を運ぶと、一緒に持ってきた割り箸で先に卵焼きを口にしていて。



「美味しい」


「よかった。口に合って」



これは本音。


ちょっとドキドキしてたから。



もう一度食器棚に戻り、取り皿を2枚運んでから椅子に座る。



「このから揚げも美味しい」


「これはうちの直伝ってやつなの」


「うん。ケイはいいお嫁さんになれる」



シュウさんはきっと何気なく言ったんだろう。



――――お嫁さん



その言葉に思わず反応した。



シュウさんはもぐもぐとおかずを食べながら取り皿におにぎりを入れていて。


ドキドキしていることを気付かれないように、いただきますと手を合わせた。