前に体を重ねた時、私の髪を弄びながらそんなことを呟かれて。



――――私だけを……



見てくれるようになったら呼びたい。



そう心の中で答えていた。



「さっそく食べていい?」


「あっ、うん。じゃあ……」



お茶を入れようと立ち上がる。


今ではキッチン周りはどこに何があるのか把握できている。


食器棚からお揃いのマグカップを取り出し、急須にお茶っぱを入れる。



「おーっ、美味そう!」



後ろから楽しそうな声が聞こえて、思わず笑ってしまう。



シュウさんは食べ物に好き嫌いがなくて、何でも食べる。


それも美味しそうに。