「ねぇ、前から聞きたかったんだけどさ」 「……何ですか?」 「そのピアス、最近ずっとしてるよね」 アヤ先輩が指差したのはシュウさんからもらったピアス。 指先に触れるそれは、もらってからずっとここにある。 「気に入ってるんです」 「うん。可愛いしケイちゃんに似合ってる」 「ありがとう……ございます」 林さんと別れてしばらくは、アヤ先輩の愚痴を聞いていた。 さすがに1カ月もたてば落ち着いたのか。 最近その名前は聞かなくなった。