あの扉の向こうはシュウさんの寝室。
この言葉の意味が分からないほど私は子供じゃない。
シュウさんは先に立ちあがり、2人分のカップを持ってくれていて。
私が立ちあがったのを確認して、少し先を行く。
この扉を開ければ、もう引き返せない。
きっと、私はますますシュウさんが好きになる。
元カノの陰におびえながらも……
絶対にシュウさんから離れられない。
「こっちもあんまり片付いてないけど」
「気に……しないから」
扉を開けた先にベッドが見える。
ゴクッと唾を飲みこんで。
促されるようにシュウさんの後について部屋へ入った。

