私は何も言えなくて。


シュウさんを好きだと思えば思うほど、こんな些細な事にも敏感になる。



「あっ、あそこにアイスクリーム屋さんあるけど行く?」


「うん」



ギュッと手を握られ、その後シュウさんの指が私の指に絡む。


恋人繋ぎ。


それが嬉しくて思わず私も少しだけ握り返す。



タエさんにも彼氏が出来たんだ。


シュウさんもこうして私に優しくしてくれる。



私は今、シュウさんの彼女で。


元カノにおびえる必要なんてないんだから。



「シュウさんはアイス好き?」


「うん。まぁシングルしか無理だけど」


「じゃあ、私はダブル食べようかな?」