今カノの私と元カノの存在




きっと私のつけたこのピアス。


このデザインはタエさんには似合わないんだろうなって。


タエさんならショーケースに並べられているあっちの方が似合うんじゃないかって。



そう思っても……



「あっ、ありがとう」


「いいえ。ケイちゃんに似合ってよかった」



そう言いながら財布からクレジットカードを取り出すシュウさんに精一杯の笑顔を向ける。



嬉しい。


だけど複雑。



シクシクと痛む胸と胃。



そんな自分の気持ちが絶対表に出ないように……



耳に付けたピアスを指で触っていた。