……なんて事を言える勇気もなく。


ただ、曖昧に笑うしかない。



「カラオケはともかくとしてさ、今度2人で会えないかな?」


「……えっ?」


「もしケイちゃんさえよければ」



そっ、それって……


でっ、デートですか?


さっ、誘われてるの、私?



シュウさんの言葉を理解した私はドキドキし始めて。


気がつくと何度も頷いていて。



「よかった。断られたらどうしようかって思ってた」


「そんな……嬉しいです」


「えっ?」



アヤ先輩の歌声が大きかったのか、シュウさんには勇気を振り絞って言ってみた本音が聞こえなかったみたい。


だけど、もう一度言う勇気が私にはなくて。



笑って首を横に振るしか出来なかった。